山形大学麻酔科学講座ブログ
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集中治療医の観点からみたヒルクライムレース
暑いですね
先週末第30回矢島カップMt.鳥海バイシクルクラシックに参加してきました。
IMG_2948.jpg

最近漫画の影響ではやっているロードバイクによるレースなのですが日本国内の草レースとしてはでは歴史のある
日本3大ヒルクライムレースの一つです。
27kmで標高差1100m(実際には多少下るので累積獲得標高は1400m程度になります)ひたすら上る修行のようなレースです。
自分は高校1年生の時から出ていて出るたびにもう二度と出ないと心に誓うのですがまた出てしまう不思議な魅力があります。

さてここ数年の自転車の機材は著しく進歩してきています。特にパワーメーターは低価格化も進んで広く一般的に使用されるようになってきました。つらさ(心拍計)と実際の出力(パワーメータ)を同時に測定、比較する事で状態を客観的に評価できるようになり効率的な練習、レース戦略を立てられるようになってきました。

今回のレースでのデータを上げてみます
2016鳥海3
諸説ありますが Anaerobic Threshold(AT値) 以上での運動は長く続けられないのでここぞという時以外はAT値以下で運動していた方が良いです。
このAT値は様々な測定方法がありますが自分の場合はおおよそ心拍170bpm程度です。
麻酔、集中治療管理と一緒でデータだけでは何とも言えず、実際に何が起きていたのかも合わせて提示してみたいお思います

2016鳥海4
①みんなに遅れまいと頑張った
②熱中症でダウンしていた中学生の対応
③みんなに追いつこうと頑張った
④?なんだが足が重くなってきた、気持ち悪い、、、出力落ちてきた、、、
⑤く、苦しい、、
⑥もう無理、止まっちゃえ
⑦走り出したけどやっぱり苦しい、、、止まっちゃえ
⑧壁みたいな坂で前の人が“もう無理だ―”と叫んで倒れこんだのを見て自分も無理と思い止まった
⑨もう限界だっけどはやく終わらせたいから心を無にして走り続ける
→ゴール
という感じだったのですが麻酔科系集中治療医としてはこんなことも考えながら走っていました
①ちょっとオーバーペースだな、C/S1心不全とか肺炎の人もAT値超えてくる人多いからつらいんだろうな~
②筋肉とけちゃう~早く回収してくれー
③=①
④?朝おにぎり2個じゃカロリー足りなかったか?ケトン体増えてる?
⑤辛すぎて心拍上がらん、多分これくらい調子悪くなってからER来るとICU行だな
⑥あーーーー ECMOだな 今のうち原疾患(カロリー不足)治さないと
⑦ECMO離脱失敗だな
⑧カテ感染で再度ECMO
⑨次はないからダメ元でECMO離脱
→ゴール(これは生きてるのか?死んでるのか?)
といったように日頃の臨床経験(患者さんが経験していることですが)を思い浮かべながら走っていました。
AT値付近って本当に本当につらいんです!栄養足りないと本当に動けないんです!
AT値は人それぞれなのですが乳酸が上がっていればほぼ確実にAT値を超えた運動(ストレス)がかかっているでしょうし
そうでなくても多くの高齢者ではAT値はせいぜい140bpmいくか行かないかでしょう。
こんなストレスかかって消耗しているのに栄養管理が遅れては助かるものも助からない!そりゃリハビリなんてやれませんよ!
→バイタルがおかしくなった人ははやく助けてあげたくなりますね!

人間体験してみないとなかなか物事を理解することができません。
運動部の人たちは是非自分自身もモニタリング、評価してみてください。
実際の臨床現場でも役に立ちますよ~

IMG_2946.jpg

⑧の現場です。

麻酔科 小野寺
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